「妊娠おめでとうございます!」
新しい命の訪れは、何にも代えがたい喜びですよね。 その一方で、大好きだった食べ物や飲み物について「これって大丈夫なのかな?」と不安になる瞬間も増えてくるのではないでしょうか。
特に、毎日の習慣だったコーヒー。
実は、私の妻も同じでした。第一子を授かったとき、それまで毎朝の日課だったコーヒーを手に、ふと不安そうな顔をしたんです。 「この一杯、赤ちゃんに影響ないかな…」 大好きなコーヒーだからこそ、飲むべきか、やめるべきか、本当に悩んでいました。
なので、当時カフェインについて、そしてデカフェについて徹底的に調べた経験があります。
きっと今、この記事を読んでいるあなたも、マグカップを片手にスマートフォンで検索しているのではないでしょうか。
この記事では、そんな経験も踏まえ、妊婦さんのカフェイン摂取に関する最新の情報と、デカフェとの上手な付き合い方を、専門機関の情報を交えながら分かりやすく解説します。
もう「なんとなく我慢する」のはやめて、正しい知識で、安心できるコーヒータイムを取り戻しましょう。
【結論】妊娠中でもコーヒーはOK!ただし「量」が重要です
最初に一番大切な結論からお伝えします。
妊娠中にコーヒーを完全に断つ必要はありません。しかし、1日に摂取して良いカフェインの量には上限があります。
多くの専門機関が、妊婦さんのカフェイン摂取について「適量であれば大きなリスクはない」との見解を示しています。
世界の専門機関が示す「1日のカフェイン摂取量」の目安
では、その「適量」とは具体的にどのくらいなのでしょうか?
- 世界保健機関(WHO): 1日300mgまで
- 英国食品基準庁(FSA): 1日200mgまで
- カナダ保健省: 1日300mgまで
国や機関によって多少の差はありますが、1日200mg〜300mgというのが一つの大きな目安になります。日本の厚生労働省も、海外の情報を参考に注意喚起をしています。
200mgのカフェインがどのくらいかというと、
- ドリップコーヒー: マグカップ約1〜2杯(1杯150mlとして約120mg)
- インスタントコーヒー: マグカップ約2〜3杯(1杯150mlとして約80mg)
意外と飲める、と感じた方もいるかもしれませんね。ただし、カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や緑茶、エナジードリンク、チョコレートなどにも含まれています。1日のトータルで考えることが大切です。
なぜカフェインの摂りすぎは良くないの?赤ちゃんへの影響は?

そもそも、なぜ妊娠中はカフェインの量が問題になるのでしょうか。
大人が摂取したカフェインは、肝臓で分解されて体外へ排出されます。しかし、お腹の赤ちゃんは内臓機能がまだ未熟なため、カフェインをうまく分解・排出することができません。
ママの胎盤を通して赤ちゃんに届いたカフェインは、長時間赤ちゃんの体にとどまってしまいます。
カフェインを過剰に摂取(1日300mg以上など)した場合、以下のようなリスクが高まる可能性が指摘されています。
- 低出生体重児: 赤ちゃんが標準より小さく生まれてくるリスク
- 将来の健康リスク: 将来的に赤ちゃんが健康上の問題を抱えるリスク
もちろん、これはあくまで「過剰摂取」した場合のリスクです。目安量を守っていれば、過度に心配する必要はありません。しかし、日々の安心感のためにも、カフェイン量を意識することはとても大切です。
救世主?妊娠中のコーヒーは「デカフェ」が新常識
そこで、妊婦さんの強い味方となるのが「デカフェ(カフェインレスコーヒー)」です。
「カフェインの量をいちいち気にするのは大変…」
「本当はもっとたくさんコーヒーを楽しみたい!」
そんな悩みを解決してくれるデカフェについて、詳しく見ていきましょう。
「デカフェ」と「カフェインレス」の違いは?
デカフェとは、本来カフェインを含んでいるコーヒー豆から、カフェインを90%以上取り除いたものです。
日本では「カフェインレス」という表示が一般的ですが、厳密には全くカフェインが含まれていないわけではありません。
デカフェコーヒーに含まれるカフェイン量は?
商品にもよりますが、一般的なデカフェコーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェイン量は2mg〜5mg程度と言われています。
通常のコーヒーが約120mgとすると、実に97%以上のカフェインがカットされている計算になります。これなら、1日に何杯か飲んでも安心ですね。
実は「デカフェ」「カフェインレス」、そして元々カフェインを含まない「ノンカフェイン(カフェインフリー)」には、それぞれ定義があります。より詳しい違いについては、別の記事で分かりやすく解説されていますので、気になる方はぜひご覧ください。
【重要】デカフェなら何杯飲んでもいいの?安全な選び方とは
「カフェインがほとんどないなら、デカフェは無制限に飲んでOK?」

そう思うかもしれませんが、ここにも一つ知っておきたい大切なポイントがあります。それは、カフェインの「除去方法」です。
カフェインを除去する方法には、いくつか種類があります。世界的には以下のような方法があります。
- 水を使う方法(スイスウォータープロセスなど) 化学薬品を一切使わず、水と炭素フィルターだけでカフェインを除去する方法です。安全性に優れており、豆本来の風味も損なわれにくいのが特徴です。
- 二酸化炭素を使う方法(超臨界二酸化炭素抽出法) こちらも化学薬品は不使用。液体と気体の中間の状態にした二酸化炭素でカフェインを抽出します。安全で風味も良いとされています。
- 薬品を使う方法(有機溶剤抽出法)ジクロロメタンなどの薬品を使ってカフェインを溶かし出す方法。安価で効率的ですが、薬品の残留を心配する声もあります。
【日本国内のデカフェは安心!】
ご安心ください。
日本の食品衛生法により、コーヒーのカフェイン除去に特定の有機溶剤を使用することは認められていないためです。
そのため、現在、あなたが手に取るほとんどのデカフェ商品は、上記でご紹介した「水」や「二酸化炭素」を用いた安全な方法でカフェインが取り除かれています。
お腹の赤ちゃんのことを第一に考えるなら、どのような方法でカフェインが除去されているかを確認すると、より一層安心してデカフェを楽しむことができます。
商品のパッケージに記載がない場合も多いので、その際はメーカーの公式サイトや、Amazon・楽天といったオンラインストアの商品紹介ページを確認してみるのがおすすめです。
メーカーも安全性や風味の良さをアピールするため、
- 「スイスウォーター式」「マウンテンウォータープロセス」
- 「CO2抽出法」「超臨界二酸化炭素抽出法」
- 「化学薬品不使用」
といったキーワードや、具体的な抽出方法の名前が記載されていることがほとんどです。 このひと手間が、妊娠中の不安を解消する確かな安心材料になりますよ。
妊婦さんが安心して飲めるデカフェの選び方【まとめ】
- 抽出方法を確認する: 「スイスウォータープロセス」「マウンテンウォータープロセス」「CO2抽出法」などがおすすめ。
- 信頼できるブランドを選ぶ: オーガニック(有機栽培)の豆を選べば、さらに安心です。
- カフェイン除去率を見る: 「99.9%カフェインフリー」など、高い除去率を明記している商品を選びましょう。
これらの基準で選んだデカフェであれば、1日に2〜3杯程度飲むことは全く問題ないでしょう。
まとめ:正しい知識で、我慢しないマタニティ・コーヒーライフを!
最後に、今日の記事のポイントを振り返りましょう。
- 妊娠中でもコーヒーは1日1〜2杯(カフェイン200mg)までならOK。
- カフェインの過剰摂取は、赤ちゃんの成長に影響を与える可能性がある。
- デカフェは妊婦さんの強い味方。ただし、微量のカフェインは含む。
- デカフェを選ぶ際は「化学薬品不使用」の抽出方法(スイスウォーター式など)を選ぶと最も安心。
妊娠期間は、心と体に様々な変化が訪れる特別な時期です。たくさんの「我慢」が必要な時だからこそ、大好きだったコーヒーでほっと一息つく時間は、かけがえのないものになるはず。
正しい知識を身につけて、安心安全なデカフェを選び、あなたらしい素敵なマタニティライフを送ってくださいね。
【免責事項】
この記事は、妊娠中の食事に関する一般的な情報を提供するものであり、医学的なアドバイスに代わるものではありません。持病のある方や健康に不安のある方は、必ずかかりつけの医師にご相談ください。
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